Divine View

大仰なタイトルをつけてしまった。
今夜はファストフード店の2階の窓際から本(マンキュー経済学〈1〉ミクロ編)を読みながらたまに外を眺めていた。薄汚れた駅前階段が見える。

眺めはじめてしばらくたってから、私の眺めていた駅前階段の付近に派手な格好をした軽い金髪の女性が立った。棒立ちという感じではなく、ちょっと足を動かしながら、たまにうつむきながら、位置を変えずに少し身体を揺らしながら周りを伺っている。

格好から風俗店か何かの勧誘のチラシを配布かな、と思っていたら、やはりそうらしい。男にしか声をかけず、女には声をかけない。

声をかける相手もどうやら選んでいるらしい。まず女に声をかけないのはそうだけれども、カップルにも声をかけない。若者風な感じの人にも声をかけない。急いでいる人や電話をかけている人にも。まあ妥当だろうな。ほうほう。

だいたい真面目そうなめがねをかけたような、パッとしない中年周辺の独りの男性に声をかけているように見えた。

そして、たまにその女の人と話す人もいた。おととい秋葉原を歩いたときも駅前のキャッチの女性に話しかけられて立ち止まって話を聞く男性がいた。私には路上の見知らぬ人間と話してしまう心理がよくわからないが(あちらからやってくる話にロクな話は無い)、そうやって話を聞いてしまうものなのだろうか。

ともかく、私にはその階段を通る人、そしてその女性の仕草、全てが見えていた。次にどのような人が足を運んできて、彼女が声をかけるかかけないか。