いやな気分よさようなら は良著

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

読んでいる途中だけど、良著でした。

おおまかに説明すれば、うつ病に対する認知療法のやり方が書いてある本。

もちろんうつ病患者にオススメの本なのだけれども、そうじゃない人たちにとってもかなりオススメ。たとえば…

  • 自信がない
  • 自分が欠点だらけで嫌になる
  • リア充じゃないことに引け目を感じている
  • いつもイライラしている
    • 同僚や上司の仕事ぶりの悪さにイライラしている
    • 自分への悪意をよく感じる
  • 週末はベッドで寝てすごすか、ニコニコ動画YoutubeRSSリーダをひたすら眺めている
  • 電車や公共の場所での他人の声が自分の悪口に聞こえる
  • グズグズしていて、掃除などにとりかかれずに一日が終わることがよくある
  • プレッシャーに弱い
  • 他人の目が気になる
  • 何か自分が不健康(不健全)であるような気がしている
  • いわゆる2ch脳である
  • 世界が混沌に腐敗、穢れや悪にまみれているように見える
  • 精神が疲れている

上記のような『ネガティブ』は、自分から切り離された現実物理世界に対しての、自分のゆがんだ認知(≒解釈方法)が引き起こしているとこの本は説明しています。

認知の誤りの例

たとえば、「自分が欠点だらけで嫌だ」という人は、誤った認知に基づく自己評価をしているから、「欠点だらけで嫌だ!」と考えているということになります。

この認知はどこが間違っているのでしょうか?

  • どんな人にでも欠点はある
    • 完璧な人間はこの地上にいない
    • 完璧そうな人が仮にいたとして、その人の一部分があなたには特に好ましく思えても、他の人からはきわめて重篤な欠点と見えている場合だってある
      • 人間嫌いの人は、生きているという点だけで欠点だと思うことだろう
  • 自分について知り尽くしているわけでもないのに、何故欠点だらけ、というような評価を下せるのか?
    • 逆に、他人について知り尽くしているわけでもないのに、何故他人について良い・悪い人間だ、などという評価を下せるのか?
  • 欠点がいくつかあったからといって、そのほかの部分が全部台無しになるわけではない
  • そもそも、それが欠点らしい欠点かどうかも怪しい

そもそも欠点があるからどうだとか考え、思いを馳せること自体が非合理ですね。

こういう非合理、非論理的な考えが認知の歪みといわれるもので、本書はその認知の歪みを10のパターンに分類しています。いわゆるアンチパターンです。

自分の普段の思考方法を10のパターンでチェックすることによって、脳みその間違った使い方に気づけるようになります。

憂鬱や怒りはgoto文である

憂鬱や怒りは人間に備わっている基本的な機能ですが、C言語でgoto文の使用が基本的に禁止されているように、普段は使うべきではないのです。

ことあるごとに脳のネガティブメソッドを呼び出しているコードが脳にあるとしたら、そこはリファクタリングして修正しなければいけません。

電車で自分の周りにだけ人がいない。きっと自分が不審で気持ち悪いせいだろう。憂鬱だ。
⇒ 別に不審な行動をとっているわけでもないし、他の人は本を読んだり、ゲームに熱中していて、自分に関心を向けていない。どうせ何を思っていても電車を降りれば忘れてしまうだろう。気にする必要はない。
あんなことをやってしまったことを後悔している
⇒ 確かに後悔しているが、わざわざ自分で追い討ちをかけて不幸な気分を味わうことはない。それにもうやらないと誓ったのだから、反省としては十分だろう。
恵まれない家に生まれた。親のせいで人生が台無しだ。怒りがおさまらない。
⇒ 何故私だけ特別に恵まれている必要があるのだろう?それにたかだか10年そこら付き合っていた家にどうやって人生が台無しにされるのだろう。まだ人生が台無しになったと決まったわけでもない。

まあ、ともかくとして

なんかエントリ書いていて収集が付かなくなってきたので締めますが、とにかくこの本はすばらしいです。

いろいろ、人生を改善するためのエントリーがはてブなどで取り上げられるけれども、そういったエントリーに書かれている内容が本書の中にもきちんと書かれていてビックリしました。

ライフハック的な内容やシゴタノ的な内容もきちんと網羅されてます!

私みたいな権威主義で、自己啓発本に宗教的なものを感じて反感を覚えてしまう人でも、本書には精神医学的な権威が感じられるので、安心して読めました。

そのおかげで今日はワックス掛けも出来たし、冷蔵庫と洗濯機の脚のがたつきも直せたし、掃除洗濯もきっちり出来たし、3年間放置していたYahoo! BB無線LANパック解約もできました*1。すばらしい。

さいごに

書評って難しいね。*2

*1:Yahoo! BBの一部のコースを契約すると勝手に無線LANカードが『無料お試し』としてついてきて、そのまま返送しないと無線LANカードレンタル契約になだれ込むという悪魔のサービスです。毎月、これのために\1,000払っていました。自分で無線LANルータを購入しているにも関わらず。3年で累計\36,000ですね。定額給付金を余裕で越えます。いい勉強になりました。解約したい人は24時間自動応答の電話で解約できるので、さっさと解約しましょう。

*2:この本の悪いところも探して書けばよかったかな。まあ分厚い本なので、本格的に気分が滅入っている人が読むのに腰を動かすのは難しいと思います。余裕のあるときにどうぞ。